グランドフィナーレ


GQの矢沢永吉語録。



「せつなさっていうのは人間は克服できない。でも、それを振り切って生きていくのが人生なんだ。」



いいこと言うなぁ、永吉。タオル投げちゃうぜ(?)。



まだ小さい頃に母親を亡くした経験のある友人に、その辛さはいつ解放されたの?、というような質問をしたときに、



「解放なんかされないよ。私は今でも毎日悲しいよ。」



と、あれから20年以上経ってもそういうもんだよ、という話をされました。


でも、私もあれから数か月が経って、もしかしたらそれは“悲しい”とか“寂しい”とかいろいろな感情が混ざり込んだ「せつない」という表現が一番しっくりくるんじゃないかなという気がしています。


そうか、やっぱり誰もが「せつない」は克服できないのか、じゃあ、それは克服できないものとして受け入れて前に進んでいかないといけないのだなぁ、と友人の言葉で思ったんだけど、不思議なもんで個人的な気づきは世の中とシンクロしていたりするんだね、今回のBRUTUSは一冊丸ごと「せつない」だけを考えた「せつない気持ち」特集。よくこれだけで一冊作るよね、すごいよ。



箭内さんがよくまとめているように思ったけど、結局「せつない」っていうのは、“何かが永遠じゃないとわかった瞬間に、人はせつないと感じるのではないでしょうか。人と人が別れることもそうだし、人は同じ気持ちでいてくれないこともそう。”



“よく考えると人間って、生まれた日からカウントダウンが始まっているわけじゃないですか。誕生と同時に、いつこの世界からいなくなるかわからない状態で、グランドフィナーレが始まっているんですよね。”



本当にそのためだけになんだか一生懸命に生きてるんだなぁ、と思う。



・・・と思うと、もうそのこと自体がせつないんだけど。



「さよならだけが人生だ」



って、なんかわかったようなわからないような文句だな、とずっと思ってたけど、最近ちょっとわかるような気がします。


写真は、MIHO.¥6300
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