女の武器は情熱である

女性の起業家を取材して携帯サイトを作っている男子大学生の人たちとお話をしていて、


なんでそういうことしてるの?


と聞いたところ、


「友達の女の子が“将来の夢は、専業主婦”と言ってるのを聞いて、もっと女の子にいろんな生き方を提示してあげられるかなぁ、と思って。」


というようなことを言っていたのだけど、それを男の子たちがやろうと思うところが面白いなぁ。



話は変わって、今回のFRAUが読書特集だったのだけど、その中で


「女子マンガとは何か」


という分析があったのだけど、簡単に言うと、今の女子マンガの流れというのは、


「根拠のない希望に溢れていた少女時代」を経て、80年代後半から90年代に岡崎京子が出てきて、恋や性に絶望した少女たちが描かれ、倦怠感や虚無感、閉塞感がある種のモードだった中、安野モヨ子が登場し、コペルニクス的転換を迎える―。


それはどういう転換期だったかというと、


「つまり、(『ハッピー・マニア』の中で)安野モヨ子は「恋」そのものを「スポ根」として描いたのです。もはや恋は絶対的な存在ではなく、スポーツの一種となりました。しかしそれは決して安野モヨ子が恋を貶めたわけではなく、その根源にある、女子の生来的な衝動を発見したからです。それが「情熱」です。」


働きマン』ではまさにその“恋愛”の部分が“仕事”に置き換わり、そこに描かれているのはやはり「情熱」であって、


「絶望を知ってしまった少女たちが、現実を肯定し直すための物語」であり、「現実に立ち向かっていく」武器として「情熱」が共通して描かれているのが、安野モヨ子を始めとする、今の女子マンガである、という結論でした。




安野モヨ子の「監督不行届」の中で庵野秀明


「嫁さんのマンガは、マンガを読んで現実に還る時に、読者の中にエネルギーが残るようなマンガなんですね。読んでくれた人が内側にこもるんじゃなくて、外側に出て行動したくなる、そういった力が湧いて来るマンガなんですよ。現実に対処して他人の中で生きていくためのマンガなんです。『エヴァ』で自分が最後までできなかったことが嫁さんのマンガでは実現されていたんです、ホント、衝撃でした。」          」


と同じことをコメントしていて、


最初に話が戻ると、きっとその男子大学生くんたちもそういうことを表現したいんだろうなぁ、と思いました。


別に専業主婦は全然悪くないんだけど(っていうか、なんなら私も目指したい)、が、学生のうちから意識がそこに向かっちゃうというのは、やっぱりどこか社会とか自分に希望を持てていない部分があるというか、現実=社会に対してのスタンスがクールだよね。



「女性に生まれてよかったと思うことは何ですか?」



という彼らの質問が印象的だったけど、


女子マンガとはまた別に、女としての生き方の肯定=現実の肯定と、生きる情熱、みたいなものを提示しようと思ったら、確かに女性起業家みたいな人たちはその権化みたいな人が多いから目の付けどころがいいと思います。男性の起業家とはまたちょっと違うんだよね。


私なんかも元気がないときは、そういう人たちに会うと元気になるもんね。どんな苦労も鼻で笑えるような謎のエネルギーを放出してるんだよなー、あの人たちは(笑)。


男の子がつくる女の子の情熱を応援するサイト、どんなものになっていくのか楽しみです。


http://www.gris.bz/shopping/index.html


写真は、ホルヘ・モラレス。どんぐりのリング。13125円。
ネイルも秋色でベージュにする人が増えてきているんだそうです。シーズン先取りで。