店とは、旅である。
歳のせいなのか、時代のせいなのか、よくわかりませんが、
どこか食事に行っても、もはや「この店、おしゃれ〜!!」みたいな感動の仕方はあまりしなくなり、
そんなことよりも、ものすごく有機的なあり方をしている店、みたいなのに感動します。
例えば、先日は、この前婚活イベントに参加してくれた友人Mくんに連れていってもらった、新宿2丁目のお店なんかも、雑居ビルに入っているバーなんだけど、お店の空間やオーナーご自身が非常に魅力的で、バーのカウンターの裏がピアノになっていて、手が空くとオーナーがピアノを弾き、声楽をされているお客様が即興で歌う、とか、突然これまたカウンターの中から三味線が出てきて、そこで飲んでた三味線の先生が弾き出すとか、小さなお店なんだけど、坂本龍一とかもくるそうですが、個性的なお客さんばかりがギュウギュウの中でお酒を飲む、という、本当に素敵なお店でした。ホットワインがものすごくおいしかった。
そして、昨日はまたディープな店情報を聞き付け、谷中へ。
お寺とお墓に囲まれたエリアで、夜ちょっと怖いんだけど、ボワッとランプがついた建物の障子を開けると、アンティーク(古道具)が店内中に吊るされた、しぶーい空間。このお店もオーナーが素晴らしく、元々映画のライターをしていた方なんだけど、一つも偏見とか押し付けとかがない、誰にもフラットな人なんだなー、というのが、カウンター越しに話をしていてすごく伝わってきて、芸術家や学生とか、いろんな人がこのお店に集まってくる理由がよくわかるお店でした。
そのマスターが、
「お店はねぇ、旅みたいなものだから。」
と言っていたの印象的。
いろんな人がそれぞれ何かの縁でお店にやってきて、出会って、別れる。
「人生で出会って話す人の人数なんて、限られているわけでしょう。その出会いは奇跡だよねぇ。そういう意味で、お店っておもしろいね。特にお酒を介するから、余計にね。」
と、うちのような物販(ノンアルコール!)はここまでお客様とディープにかかわれるかわからないけど、
でも、こういうお店でありたいなぁ、と思いました。
共通しているのは、オーナーが人間的に魅力的、ってことだから、ま、そのためには、私がもっと人間を磨かないといけないっつーことなんだけどね。
がんばります。
写真は、cogito.\6720→¥4704