パリ出張報告Ⅱ(3〜4日目)

【3日目】


ということで、引き続き展示会をグルグル。


あまりのかわいさにアクセサリーでもないのに仕入れてしまったのがこちら。



グリーンの他にも、少しグレーがかったスモーキーなベージュとか、落ち着いた赤とか、絶妙な色を選んでくるあたりがフランス人だよなぁ、というブランド。でも、アクセサリーじゃないしな・・・とか悩んでいたんだけど、展示会を一緒に見学していた相方の「これ、仕入れてよ!」という一声に押され、決定。もちろん自分用にも多めにオーダー。マフラーを数種類と帽子です。秋初旬にお目見え予定。トルソー、買わなきゃな。



とにかく今日は具体的に発注作業。


例えばこちらは、初夏に入荷予定のBENEDICTE。



私がオーダーする前にアッシュペーのバイヤーさんたちがいたんだけど、同じブランドに目をつけても選ぶアイテムって全然違うもんだなぁ、観てておもしろかった。だからこそ、いろいろお店が成り立つんだね。


・・・と、一通りオーダーを入れた後、夜はmurder pollenさん、S'adoucirさんと待ち合わせ。左岸へ移動して食事。


アールヌーヴォー装飾の、壁が全部鏡張りのお店。店内全部グリスカラーでした。ベルギー料理。


それにしても、全く最初誰が作っているかもわからないアクセサリーを見て、いいな、と思って始めたお店で、その張本人のデザイナーさんとこうやってパリで食事してるなんて、夢のようだな、と思う。その場にいた全員、昔は全く関係のないジャンルの会社員だったりしていたのに、人生何があるか、どうなるか、全く予測できないね、という話をしていました。


murder pollenさんの作るアクセサリーは、蜘蛛やトカゲがモチーフだったり、色遣いだってどちらかというと渋いし、素材も皮を使ったり、鉄さびを使った什器だったり、だいたいブランド名が「毒を含む花粉」という意味で、それでも醸す世界観がどこかあったかさや柔らかさがあるのは、たぶんデザイナーご本人の温厚な人柄が出ていて、うまいバランスなんだろうと思う。Aprosioにしても、作ってる本人はもっとガーリーな雰囲気の人かと思いきや、ああいうかんじはなんていうんだろう、マニッシュな、なんか甘さが削ぎ落とされているぐらいの、かっこいいかんじの人でした。それもまた、Aprosioがどんなにラブリーなモチーフで作っても、甘くなりすぎず、大人の女性に愛されるブランドになっている理由なんだと思う。DDMにしても私は毎日リングをしているけど、それはデザインが気に入っていることもあるのだけど、あのイタリアンマダムのパワーと明るさと、あの人が作るものだから絶対に負のオーラが出ていないというか(笑)、元気をもらいたいという気持ちがある気がする。デザイナーの持つ個性とオーラはいろんな風に作用していて、絶対に作るものに反映されています。私だけがそのモノを通した作り手の顔や、思いや、空気を味わうのではなく、うまくその辺がお客様に伝えられるといいのだけど。それを知ると、一つアクセサリーを買うだけでも、ぜんぜんその一つが持つ情報量が違って愛おしいものになるはずです。


【4日目】


よくよく振り返ってみると、ブローチを仕入れたいと思っていたのに、ぜんぜん無くて、前から目を付けていたヴィンテージのブローチを仕入れにクリニャンクールへ。日本に持って帰って母に見せたら、あまりのかわいさに「全部買い占めていい?」と本気の申し出を受けましたが、一応拒否しておきました。


こちらはまた改めて、ご紹介。