観客になることも大事。

gris-bijoux2007-04-14

松尾スズキ×串田和美の対談の中で、役者を目指す若者に対してのメッセージとして、



「俳優になろうとするのもいいけど、観客になることも大事」



というのがあって、どういうことかというと、「必ずしも行き先は、演じることだけではないし、それは必ずしも、負けとかマイナスを意味するものではない。」っていうことなんだけど、読んでて、そうだよね、って自分自身を結構納得させれたかも。


演劇というのは、こんな見方もあって、こんなに自由なんだよっていうことを知っている観客にさらされていくことで、良い俳優も自然に育つし、演劇が栄えている国っていうのは、観客になる人たちが充実していて、そう考えると、演じることばかりじゃなくて、観客になることも大事で、実際例えば、絵を描いたり、音楽を聴いたり、写真を撮ったり、スポーツをしたり、そういう人がみんな真剣にプロになろうと思っているかというとそうじゃなくて、もちろんそう思った時期もあるかもしれないけど、好きでそれをやっていて、そういう人たちが客にまわることで、その分野を育ててるし、下支えしている大事な存在なんだ、という、まぁ、当たり前の話なんだけど。


私なんかは、たぶん小さい頃から“ものを創りだす人”に憧れていて、でも私自身は本質的な“クリエイター”ではなく、でも好きだからそこをぐるぐる廻っている衛星的な人で、だから結局、私が選んだものは、前の仕事も、今の仕事も“ものを創りだす人”を支えるような、そういうスタンスのものだと思う。


ある種“傍観者”的である自分にコンプレックス(ちょっと大げさ)があるようなところがあったけど、でもそういうアプローチだってあるんだよ、って言われた気がしてなんかホッと(?)した。



「どの世界も、成功して生き残ることばっかり教えてたりするんだけど、残った大半の人たちはどうするの?ずっと傷ついていないといけないの?実は眺める側に回った方が幸せかもしれないんだからね。」



必ずみんな何かから「降りる」ことって必ずあって、そのときの考え方というか、理屈みたいなものがもっときちんと広まればよいのにと思う。



クルバ、入荷しました。シルバーものが少ないという声があったので、ちょっと入れてみました。繊細な蝶が付いています。オニキスとシルバーのリング。¥10080(→完売御礼。別色有り)