つばさちゃんから考える。

gris-bijoux2008-08-18

よく知りませんでしたが、情熱大陸につばさちゃん(※popteenのカリスマ読者モデル)が出ていて、途中からだったんだけど見入っちゃいました。


つばさちゃんは同じく読者モデル(egg)の男の子と結婚して、足立区のアパートで子供を育てています。手狭だけど、取材の日は冬瓜の煮物を作っていて、お米は精米からはじめるし、ちゃんとしっかり生活をしていて、洋服も自分の原点は「しまむら」である、ということで、実家に戻ったついでに寄ったしまむらでの戦利品をカメラの前で広げます。


で、彼女はすでにpopteenを卒業しているんだけど、1年ぶりにその雑誌のイベントに参加します。一度目はスタイリストが準備をした華やかな格好をして、二度目は敢えて「そのままの自分で出たい」ということで、しまむらで買ったスニーカー(¥1500ぐらい)に、普段着のままマイクを持ち、普通のテンションで、普通な挨拶をして、そのまま舞台を去ります。


そして、番組は



ダサい生き方はしたくない



というつばさちゃんの言葉で終わります。




・・・いやぁ、興味深いね。


あまりに興味深く、ついネットで調べちゃいましたが、彼女のブログを読むと、


「主婦業もちゃんとこなして、今しかできないこともどんどん挑戦して・・・・」


「今頑張れば、将来はまったりパートして子供におやつ作ってー、梅しゃんの帰り待ってーって平和な毎日を送れそうだからさっ☆」


とありました。


私の文章じゃわからないと思うんだけど、とにかく見た目はいわゆる“ギャル”なんだけど、その気になれば、今もお化粧品のプロデュースやっていたりするし、なんてったって情熱大陸が取り上げるぐらいなんだからその気になればいろんな広げ方ができそうなのに、将来の目標は“まったりパート”なのですよ。“使い捨て”の“今だけ”の自分、というのを、もっというと、自分の人生というのを諦観しているんだよね。


ものすごい現実に冷めていて、ある意味大人とも言えるのか。どうなんだろう。


でも、うちの妹も同じで、将来の理想は、うちの母=のんきな専業主婦、だそうです。まぁ、確かに悪くないんだけどさ。


将来の見通しが悪い国に生活をしていると、「現状維持することが、夢」みたいなかんじになるのかな。そんな人たちの集まりになったら今後一切成長曲線を描かないんだろうね。私が政治家だったらちょっと不安になるけど(笑)。



「今“かっこいい”生き方って何だろう?」



と、マーケの先輩が書いていたけど、彼女が本当に支持されているのであれば、彼女たちの世代にとっては「自分らしく、でも堅実に生きること」なんだなぁ、と思いました。


正しいなぁ。


ただ、なんだか正しすぎて、そこで取りこぼす何かもある気がするんだが。小さい幸せを大事にし過ぎて、ダイナミックな幸せを逃すというか。オリンピックで金メダルは取れないというか。小さい幸せは、場合によって自己欺瞞というか言い訳になりやすいからさ。なんとなく。うまく言えないけど。


別に何が正解ということではないけど、あぁ、私はバブル世代とこの世代のまさに間だと思ったよ。社会や他人のわかりやすいものさしで物事を計りがちなフワフワした世代と、自分のものさしで測る自分の感覚が基準の堅実な世代と。


でも「ダサくない生き方」は必ずしも「かっこいい生き方」ではない気がする。たぶん。