似て非なるもの。
昨日の続きですが、パステルカラーのフワフワとなびく柔らかい衣装を着て踊るバレエダンサーをぼんやり観ながら、
あぁ、リヤドロのお人形さんみたいだなぁ、
と思いました。
まだフランツは他のブランドと違い、過去の膨大な顧客データがあるわけではないので、百貨店などでDMを打つときはよく「リヤドロとかをお好きな方とかに送ってみましょうか」という話になるパターンが多いのですが(造形的なものが好きであろうという仮説の下)、
こんな風にまだ実際にお姫様や王子様がお城のような建物に住んでいて、こんな風にバレエやオペラが身近にあって、街にはそこら中に天使がいて(彫刻とか教会とかね)、こういう文化の中で出てきたリヤドロ始めヨーロッパの食器ブランドとは、フランツはやっぱりそもそもあまりにも違う文脈すぎるなぁ、と思いました。
もっと言うと、リヤドロとかを好きな人はフランツは好きじゃないと思う。
だって、そのブランドに流れている文化というかスピリットというか、底流が違うものを“形状が同じだから好きだろう”というのはデタラメすぎだよね。
「“豊かさ”とはストーリーである」と何かに書いてあったけど、ヨーロッパの食器が好きで「昔、お姫様が使ったあの食器」というストーリーの中に豊かさを感じてお茶を飲む人は、フランツには魅力を感じないでしょう。やっぱり。
フランツのスピリットはどちらかというと、対西洋に中国文化で対抗するというか、何百年歴史があろうが負かしてやるぜ!的なガッツというか、革新性というか、反骨精神みたいなところにあるので、むしろ特選洋食器のどのブランドとも相容れないところが本当だと思います。
そういうところに面白さを感じてくれる人たちがたぶんフランツのファンになってくれると思うんだけど、それはもしかしたらむしろ(今度催事をする)伊勢丹とかだったら、新進デザイナーの面白い服を探している4FのRe-styleとかあの辺のお客様とかかも知れないね。
たぶんフロアを超えてDM打てないとは思うけど、でも誰に向けて発信するブランドなのかっていうことをちょっと考えないとなぁ、と今回のヨーロッパで思いました。
ブランドって難しいねぇ。
http://www.gris.bz/shopping/index.html
写真は、DECO.\11000.水浴びをしている鳥のリングです。