気楽な稼業



たぶん中学生が通る通学路としては、日本で指折りの適してなさ(いかがわしい)ではなかったのではなかろうか、と思う西武新宿〜新宿間(歌舞伎町周辺)で、小さい頃から、ずーっと気になっていた思い出横丁へ。


こんなところでお酒を飲むようになって、私、大人になったものよ。


10年来の友人なのだけど、なぜかここ2年ぐらい会ってなくて、そろそろキャッチアップしないといけないんじゃないの!?ということで、やきとりを食べながら、近況報告。


・・・しかし、あまりに間が空きすぎていてディティールまで話していると一晩掛かってしまいそうなので、ポイントだけ話したら15分で終了!短っ!要約しすぎ。それぞれ相当に濃い2年だったはずなんだけどね。


やっぱり人間関係というのは、コンスタントに会わないとダメだね。今後はもっとちょくちょく飲もう!という結論に。


それにしても、「これからどうなっていくのかなぁ?」という話をしていて、企業で働いている友人の言う“これから”は、出世、という組織の中での自分の位置みたいな意味合いが強いだろうし、私の“これから”なんて、それこそ全く想定できないもっと漠然としたもので、どっちも不安ではあるんだろうけど、ずいぶん質が違うもんだなぁ、と思いました。


あるエッセイで


「人はしばしば、『サラリーマンは気楽なもんだ。フリーランスの明日なき戦いは本当に大変だぞ。』と言う。しかし、サラリーマンの五十代、この最後の闘争は、フリーの不安定さを凌ぐ大変さだと思う。」


と、“偉くなった人”と“偉くならなかった人”という事実が突き付けられる50代の役員出世レースの厳しさについて、自分だったら耐えられない、サラリーマンのラストはきつい、と書いているんだけれども、わからないけど、実は50代じゃなくたって、大きな組織で働いていたらその前哨戦的なものをいつも感じながら働いているんじゃないのかなぁ。


どうしたって会社の評価を気にせざるを得ないだろうし、人と比べて競争していかなければならないだろうし、そのキツさは絶対あるよ。


「独立するなんてたいへんでしょう?」とよく言われるけど、私はいつも、大きい会社で働き続けてこういうキツさに耐えてやってく精神力の方がすごいなぁと思うんだよ。ほんとに。


一度土俵を下りて、人の評価とか、人と比べる競争をやめるって、実はすごい楽で、こんなに健康的なことはないからね。何を良しとするかって自分の基準でしかないから。


女の子はそれでもまた組織に居ても独自のポジションを見つけたりして違うかもしれないけど、男の人で会社勤めをして闘っている人を特に、自分が会社を辞めてから余計にだけど、ほんとにすごいなぁ、と思うことが多いです。絶対、しんどいって。


しかも、この友人、途中から緊急の電話がバンバン入り、何かと思えば、




「・・・7年間、お世話になりました。」




と、お母さんと喧嘩したお嬢さん(7歳)が部屋を出て行ってしまい、マンションを出てはみたものの寒くて引き返し、マンションのコンシェルジュに中に入れてもらい、仕方ないからロビーのソファで寝ていた、という(←超かわいい)、奥さん&娘の双方それぞれからの「パパ、ちょっと聞いてよ!!」という電話だったらしく、


「・・・なんなんだよ。意味わかんねぇよ・・・(とほほ)。」


と、会社でも家庭でも調整役をしている友人(※職種:営業)にエールを送りたい、気楽な稼業の友人(私)でした。



写真は、by boe.\7880

http://www.gris.bz/shopping/index.html