傲慢さはどこからくるか



先日、やっぱりそうなんだなぁ、とハッとしたセリフがあって、


その人は、世界中の様々な一流ホテルで働いてきていて、今は都内の某超一流ホテルで重要なポストについていらっしゃる方なのだけど、


「(他のレストランやホテル等に自分がお客さんとして行って、そこの店員がミスをしても)こういう仕事してますから、怒ることはないですけど、びっくりすることはありますね(笑)」


と笑っていらっしゃって、つまり、自分が現場でやっていた経験があるから、別の場所で他の人間がミスをしても、苦笑はしてもどこか“まぁ、そういうことはあるわな。”と許せる部分があったり、「あー、オペレーションがうまくまわってないんだなぁ」とかその人の責任というより、さらにその奥の原因に目を向けたり、とにかく“怒り”という感情ではなくなる、というのはよくわかります。


店をやっている人間がこういうことを書くのもどうかと思うのですが(棚に上げるようですいません・・・)、例えば一緒に食事とかしていてすごく嫌だなぁという気分にさせられることが多々あって、それがなんだかわからなかったのですが、だいたい評論家のように「この店はダメだね」とかよく知らないのにちょっとしたことで評価したり、お店の店員さんにちょっとしたことで文句いう人って、現場で働いたことのない人(主に企画書だけ書いたり、数字だけ見るような仕事しかしたことない人。しかも、その業界(飲食とか)で働いたことのない人であればあるほど、本当は素人なのになぜか語る)が多い気がする。“至極真っ当なことを言っているんだ”というその正義を振りかざすような態度と、“モノや味がわかっている俺”的な姿勢、どこか“(俺の頭脳労働に比べたら)現場仕事なんて簡単だろう。なんでそんなことも気づかないし、できないんだ。お前ら、努力が足りない”という傲慢さが、そういう人たちの心理にどこかあるような気がして、それがどうもその場にいていたたまれない、というか同調できない雰囲気にさせられるんだなぁ、と思いました。


「よくタクシーの運転手さんに強く出る人は、絶対嫌!」という女子の声をよく聞くけど、それはそこに同じような傲慢さを感じるからだと思う。


コンサル辞めて、今は割と現場に近い仕事をされている方も「あのままだったら、俺、すごい嫌な奴になってたかも。」って言ってたけど、現場仕事をしてみないとほんと人って気付かないんだよね。私もそうだったから、書いている訳なんだけれども。


そのホテルマンの一言に、現場で働いてきて、本当に“わかっている”人はやっぱり優しいんだな、と感動したので、ちょっと書いてみました。


写真は、DAVID AUBREY.ブレスの季節がやってきました!!¥14000

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