文化と感性。
「枯れ枝に 烏(カラス)の止まりたるや 秋の暮れ」
という俳句に対し、外国人は、
「・・・で?」
って思うらしい。ま、確かにオチはないね(笑)。
そして、「古池や 蛙飛び込む 水の音」に至っては、
ほとんどの外国人は“古い池の中に蛙がドバドバドバッと集団で飛び込む”光景が思い浮かぶとか。
笑えるなー。その絵。めちゃめちゃ騒々しいじゃん(笑)。私は笑えるんだけど、書いているご本人は「なんでこんな感性の奴らに戦争に負けたんだ」って軽く憤慨気味。あんまり関係ないと思うんですが。
友人がブログでオススメしてて、本屋で平積みされてたから読んでみました。
「国家の品格」
上の話はあんまりこの本の本筋と関係ないんですが、「血として流れている上に、小さい頃から培われているどうしようもない、“感性”というもの」について、この間、ある社長さんがお話していたのを思い出して。
先日QVCで販売したアルコゼール&Jは、全てフィレンツェのアトリエで作られていて、ルネサンス時代のイタリア貴族のアンティークをデザインのベースにしているんですが、もうずっと長い間ジュエリーを扱ってきたその社長さん曰く「もうね、小さい頃からドゥオモを見て育って、ルネサンスが栄えたその街そのままのところで育ってきた人たちのもつ感性で作るものには、日本人がどうやったってかなわないのよ。」とおっしゃっていました。
まぁ、確かに。どっちの感性が上とか下とかそういうことではなくて、外国人が俳句がわからないように、何か日本人がたどりつけない感性の域、というのはやっぱりいろんなところにあるんだろうと思います。例えば、フランスのデザイナーさんとか、やっぱり色の組合せの思い切りの良さとかちょっと日本人だったらできないな、というものとかすごいあるし。
なので、アクセサリーも、自分のおしゃれの組立ての中に、私たちの血に流れていない感性を持った人たちが作るものを一点取り入れてみると、その人の全体から醸す世界観(印象)がパッと広がる面白さがあると思います。ちょっと勇気がいるものもありますが、でも絶対おしゃれの幅が違ってくると思います。・・・という視点で、ぜひお店でもいろんな国のデザイナーさんの感覚を面白がって観察してみてください。それがセレクトショップの面白さです。
もちろん、日本人のデザイナーさんは、日本人のストライクゾーンが肌でわかっているし、子どもっぽすぎないデザインの“かわいらしさ”とか、キャラクター(モチーフ)の表現の仕方とか、うまく言葉では表せませんが、やっぱり外国人のデザイナーさんにはない楽しさがあるのは当然です!